【 賃貸契約 】ぼったくり仲介業者から 33,220円取り返した方法!

賃貸契約の際、ぼったくり仲介業者に出会ってしまうケースもあると思います。今回、契約金の振込後でしたが33,220円を取り返すことができました。そこでこの記事では、申込から契約、鍵の受け渡しまでの交渉の記録、反省点をまとめています。賃貸契約をするのが親ではなくて「成人した子ども」の場合に親ができることも記してあります。損をしない賃貸契約の参考にしてもらえたら幸いです。
賃貸物件の申込
申込時の状況

今回は以下の条件のお話です。
・新卒で北海道から東京へ就職する長男の物件探し
・申込からすべて長男が対応(私は後方支援のみ)
・2月の引越に向け4カ月前から物件のリサーチをしていた
そんな中、希望の条件をすべて満たしつつ、周辺家賃相場が15万円のところに12万円の物件が掲載されました。
▼リサーチで学んだ重要な点は次の2点です。
・こういう物件はすぐ消えてしまうこと
・問い合わせした際、掲載当日に決まってしまっていた物件もあったこと
▼なので今回は以下のことを重視しました。
・スピードが一番大事
・たとえ仲介手数料をぼったくられたとしても「この物件をおさえること」
・仲介手数料が本当は6万円が上限なのに12万円取られたとしても差額の6万円は15万円のところを借りる場合と比べると家賃の差額2カ月分で取り返せる。
・その後はずっとプラス…という判断です。
ですがこの判断で
◎希望の物件には入れた
×「何度も交渉」という無駄なエネルギーを使うことになります。
物件申込

2024.12.21 アットホームに希望をすべて満たす物件が掲載される → 掲載当日午後1時には相見積もりなし、内見なしで即申込しました 。
無事申込ができ審査へと移行。
翌日オンラインでこの後の流れと概算見積もりについて説明を受けました。
その時の長男のメモがこちらです↓



この時もらった概算見積書がこちらです↓

この時私が受けた違和感は以下4点です。
・概算見積書なのに、振込金額や振込口座まで記載されている
(口頭で「振込は後」と聞いていたそうですが、この書き方なら間違えて振込んじゃう人がいてもおかしくないのでは?)
・仲介手数料が1カ月分
・室内消毒料 18,700円
・消火剤 14,520円
リベ大YouTubeやお金の大学の本で学んでいたおかげで「見るべきポイント」にパッと目が行きました。
ただこの時見逃していたところがあります。
・消火剤は、契約始期より約10日程で新居へ届きます。
よく考えたら、まだ審査も通っていない段階で概算見積書にこの記載があるのは「仲介業者が上乗せしている」証拠なのかもしれません。
この一文がこの後の見積もりでは消えています。
色々交渉したい気持ちはありましたが、時は年末年始。
お休みに入るというし「審査が通ってからで遅くない」と判断しました。
ここまでの保留事項は以下3点。
・火災保険は指定があるか聞いてくれる
・室内消毒料 18,700円は消せそう
・年末年始のお休みが12/23 ~ 1/3 。審査結果は1/4以降。
少しはこちらの味方になってくれる業者なのでは、と思っていました。
とりあえず「申込レースに勝利した」と浮かれていたことも白状します。
ちなみに担当は新人のA君でした。
審査通過

年明けすぐ
・「審査が承認になりました」の連絡が入りました。

そして以下の連絡が来ます。
・現在入居中の方が1月末で退去の予定であること
・退去が前後する可能性があること
・退去後クリーニング期間が決定するので、入居日はまだ調整が難しいこと
入居中の方が退去されるまでは「待ち」の状態に入りました。
この時に「内見はなしで進めてください」と伝えました。
交渉の始まり
契約開始日の決定

1月末までの入居者が退去され、部屋の状態が確認でき、2/1にすぐ連絡が来ました。
ここから交渉が始まります。
(ちなみに、この契約日の決定から「ジェイコム」と「引越業者」から鬼のように電話がきていたそうです。私たちは仲介業者が個人情報を流したと思っています。)
交渉の始まり 「火災保険」「室内消毒」「消火剤」「仲介手数料」

・火災保険 … 年末の段階で確認してくれるという話だった保留案件の確認
・室内消毒 … 年末の段階で消せそうと言っていた保留案件の確認
・消火剤 … 不要の意思表示
・仲介手数料 … ここで初めての交渉
・インターネット環境の確認
×ここでの最大の失敗は仲介手数料について、もっとハッキリ意思表示をすべきだったことです。
「借りたい度を優先」しましたが、それは交渉をしてから判断することでした。
以下の2点が判断を誤らせました。
・元々、仲介手数料をぼったくられても物件をおさえることが大事という方針
・軽く値下げをお願いしたらすんなり値下げしてもらえたというお話を聞いていたこと
▶▶ しっかり理論武装して交渉すべきでした。
今回は特にすべて「オンライン」「文章」での交渉だったので、面と向かっての交渉が苦手だったとしても心理的ハードルは低かったと思います。
仲介手数料以外のところではチャッピー(Chat GPT )やパプちゃん(Perplexity)に相談したり文章を考えてもらっていたのですが、仲介手数料も手を抜かずにやるべきでした。
「仲介手数料は、宅地建物取引業法第46条に則り、0.5カ月分にしてください。1カ月分の仲介手数料は同意しません。」
◎今回強く学んだこと
・交渉ごとは最初が肝心
・先手必勝
・初速が大事
↑おんなじこと3回も言っちゃう笑
「最初にハッキリ法的根拠をもって意思表示すること」が大事です!
交渉結果

・火災保険 … 借家人賠償保険が1,000万円以上なら他社でもOK
・室内消毒 … 外せそうと言っていたのに難しい
・消火剤 … 外すことは難しい
・インターネット … ジェイコムが通っている
・仲介手数料 … 値引きできない
という内容でした。
納得できず3ターンくらい交渉したけれど変わらず。
火災保険は自分で入る旨伝え、最終的に以下のような結果になりました。

・室内消毒、消火剤 … 管理会社指定なので外せない
・仲介手数料 … 地域ナンバー1なので無理という謎の理由 と、物件によって相談できるところもあるが今回の物件は無理との一点張り。
交渉は打ち切りになりました。
今後の流れは以下のようになりました。
- 管理会社から仲介業者へ契約書が届く
- 仲介業者からこちらへ契約書郵送
- 届き次第ビデオ通話で重要事項説明
- 契約書にサインをして仲介業者へ返送
- 仲介業者から管理会社へ契約書のお届け
- 入居日に鍵の受け渡し
請求書と契約書の発送案内
2/9のラインです。

重要事項説明を「2/12~2/15辺りで都合の良い日」と言っています。
日程を整理します。
この連絡が2/9。入居は2/20です。
郵便物が届くのに、東京から北海道まで最短で2日。
2/9 発送なので、最短で2/11着。
2/12~2/15で重要事項説明。
2/16にこちらから仲介業者へ発送した場合、最短で2/18着。
遅くても2/19までには仲介業者から管理会社へ契約書を届ける。
2/20入居。
この流れです。
入居日までを計算すると重要事項説明のタイムリミットは2/15ということでした。
最終的な請求書はこちらです↓

・重要事項説明の日程さえ決まっていない
・契約書もまだ手元に届いていない
この段階で、2/12の14:00 までに振り込めと書いてありました。
事前振込の確認
重要事項説明の前に振込をする理由を聞きました。

送られてきた返信がこちらです。

管理会社の指定なので理由はわからない、という内容でした。
この後日程の調整がつき重要事項説明は2/13に決まりました。
反撃
契約書が届く
予定通り2/11に契約書が届きました。長男はこの日もバイトが入っており、開封できたのは2/11の夕方です。
ざっと目を通した限り変な内容もなく、意味の分かりにくいところはチャッピーに聞いて納得の内容でした。
仲介業者への不信感はいっぱいでしたが、「この物件に入らない」という選択肢はないので振込をすることにしました。
仲介業者に
・契約書が届いたこと
・振込の連絡
をしましたが、もう夜なので着金の確認は明日ということになりました。
反撃の開始
振込をした時点で「仲介手数料は同意した」ということになるでしょうし、この件はもうあきらめました。
ただ今回管理会社がちゃんとしたところだったのが救いでした。
こちらをご覧ください。12番のところです↓

「ご入居前に仲介業者等を通じて依頼された消毒・クリーニング等につきましては、貸主または貸主の代理人は一切責任を負いかねますので予めご了承ください。」
管理会社さんありがとう!よくぞこの一文を盛り込んでくださっていました!
しかも契約書が手元にきたことによって、管理会社の連絡先も手に入れることができました。
「管理会社へ確認します」通告
2/11に書類の確認をしたのはもう夜で判断能力もにぶっていました。
一晩寝て頭も整理され、いつも勉強しているリベ大のYouTubeで部屋の清掃料について「前も後もとるのはダメ。どっちかしかダメ。」と言っていたのも思い出しました。
契約書には「退去のときに支払う」と書いてあります。
入居のときに室内消毒料を払うのはおかしいです。
2/12は私も仕事でしたが、通勤バスの中でも頭は契約書のことでいっぱいです。長男も「やっぱりおかしい」ということで確認の連絡をすることにしました。
2/13が重要事項説明なので、その前の最後の反撃です。

(長男)・管理会社に直接確認するよ報告
(仲介業者)・ご入居前の連絡はお控えください。こちらが確認します
(長男)・重要事項説明前に契約金が必要だった理由はあるか
・契約書への記載や合理的な説明がないまま支払っているため、消費者契約法や宅建業法の観点から、説明または返金をお願いできないか
という内容になっています。
勝利

長男から「勝った」という連絡が来ました。
「鍵の受け渡し時に仲介業者から返金」となりました。
以下仲介業者の説明です
・重要事項説明前に契約金が必要だった理由…(管理会社が)20日が契約開始日の為契約締結と契約金の入金が揃って鍵が渡せるので早い段階で振込期日とした
・契約締結は仲介業者と借主の都合なので今回はそれが期日より後になってしまった
・消毒料や消火剤については相談したところ今回は無しで問題無いので弊社から返金します(あれだけ管理会社都合だから無理って言ってたのに)
長男の感想はこちらです↓

返金

無事、鍵の受け渡し時に現金で33,220円受け取ることができました。
そして数時間後には新居の「カーテン」と「シーリングライト」に姿を変えていました。
異動

実は担当のA君。ちょうど鍵の受渡日に異動することになったという連絡がきていました。実際別のスタッフから鍵をもらったそうです。
私たちは「仲介手数料のぼったくりはのんだんだから他のぼったくりは許さん」「それでA君が怒られても知らん」と意気込んでいましたがなんだか後味の悪いものになりました。
「A君仲介手数料しかぼったくれなかったからとばされたのか?」とか「会社辞めちゃうのか?」「こんなぼったくり業者なら辞めた方がいい」とか余計な心配まですることになりました。
※あんまり気になったのでその会社の名前で調べたら半分以上メンバーの入れ替わった写真が出てきたのでただ単に大異動があっただけかも知れません。
振り返って
もう一度最初にもらった概算見積書と最終的にもらった請求書を比べてみます。
概算見積書

最終の請求書

日割家賃が10日分から9日分に減っているのに金額的には増えているのは、2月が28日しかないせいでした。契約書に家賃をその月の日数で割って実日数で計算となっていました。
気づきとしては
・「消火剤は、契約始期より約10日で新居へ届きます」が消えていたことです
申込したばかりの審査も通っていない段階で、こんな記述があるのは不自然なのかな、と思います。
・「振込期日の※上記振込期日当日の場合は14:00までにお振込みください。」も最初からそういうフォーマットになっているだけで、あまり気にしなくてもよかったかな、と思います。
まとめ
契約金の振込後でしたが、仲介業者から33,220円取り返すことができました。
以下3点がポイントだったと思います。
・契約書をよく読んだこと
・管理会社の連絡先を手に入れたこと
・交渉の仕方を変えたこと=「法的根拠に基づいた交渉」
◎「契約書にその文言が見つけられなかったので契約締結前に管理会社様に直接ご確認しようと思っております。」
◎「契約書への記載や合理的な説明がないまま支払っているため、消費者契約法や宅建業法の観点から、説明または返金をお願いできないか」
の二つの文が効いていたと思います。
▼仲介手数料については最初の交渉が失敗でした。ぬるい交渉の仕方では「知識のないカモ」認定されると学びました。最初が肝心です。
実際「北海道の田舎者」「知識のない若者」「カモからしぼりとれ」となっていたのではないかと思います。
次回からは以下のように伝えます。
「仲介手数料は、宅地建物取引業法第46条に則り、0.5カ月分にしてください。1カ月分の仲介手数料は同意しません。」
もし最初からこのスタイルで臨んで同じ結果だったとしても後悔はしないと思います。「できることはやった。それでもダメだった。」は納得しやすいです。
「投資も目的が大事」と言いますが「賃貸契約も目的が大事」だと思います。今回の目的は「仲介手数料はぼったくられてもこの物件をおさえる」でした。ですが後悔は残ります。
みなさまが、目的達成はもちろんのこと「損をしない契約」ができますように参考にしていただけましたら幸いです。
賃貸契約や交渉をするのが自分ではなく「成人した子ども」の場合に親ができること
賃貸契約や交渉をするのが自分ではなく「成人した子ども」の場合
・自分はわかってるんだけど
・子どもにはそういう教育をしてこなかった
ということもあると思います。
今回ドラマ「正直不動産」「正直不動産2」まで全部みてもらいました。ドラマを活用するのもおススメです。
「正直不動産」はコメディタッチでおもしろいし内容も濃いです。
生きていく上でも必要な知識がいっぱい。マンション投資の地獄とかもわかりやすく教えてくれます。これからの人生に絶対見ておいた方がいい内容です。
長男は「卒論の締切時期でそんな時間ない」と言っていましたが、これも重要な知識。優先度上げて見てもらいました。
おかげで「マダムってことか」とか「そうだよ。いかるが社長には逆らえないんだよ」なんて例えもできて意思疎通がスムーズでした。アマプラで見れましたよ^^
長くなりましたが、みなさまが後悔しない賃貸契約ができますように!